2006年09月01日
アナログオシロとデジタルオシロ
いまどき、必要なことの大半はデジタルオシロでも大丈夫かな…って思って、テクトロニクスのDPO4054を借りてみた。500MHzのデジタル・フォスファ・オシロスコープってやつ。
いまどきのデジタルオシロスコープってすごい色々機能があって、USBやLANでPCからオシロスコープのデータを取り込めたり、トリガーが掛かった後のデータを1つだけ取り込んで閲覧できたり、普通にトリガーかかる前の波形観測から見たい位置までの遅延調整とか、いろいろできて面白い。
ところが、1kHzのパルス列の強度揺らぎをリアルタイムモニタするために、PINフォトダイオードからのパルス出力を繋いでみたら、どうやら長い時間レンジでは正確な表示が全然できないらしいことが分かった。理由は簡単で、kHzを見るためのレンジはミリ秒で、その時間レンジではデジタルオシロのサンプリング周波数が10Mサンプリング/s程度になってしまうから。
PINフォトの出力って、1ナノ秒くらいのパルスだから、パルスのピークをサンプリングできなくなるのね。…で、結果としてまともに表示できなくなる。*1
もちろん時間レンジを狭くして、PINフォトからのパルス1発だけ狭い時間レンジでモニタするならデジタルオシロでも全く問題ない。
写真:フェムト秒レーザーのPINフォト出力(浜松S5973)をオシロスコープでモニタ(レンジ:2ns, 500mV)
ただこれ、浜口研のテクトロ2467Bだと問題なくモニタできたような気がするので、アナログなら大丈夫なのかなと思って試しに手元の岩通のアナログオシロで試してみたけど、なんか手元のTS-80600でもSS-7802でも輝度が足りなくてPINホト出力のパルス列表示はうまくいかない…。
結局、テクトロ2467Bは偉大だったということなのだろうか…。*2
そういえばAgilentとLeCroyはどうなんだろ…。
*1: さらにいろいろ試してみたら、パルスの強度揺らぎを見たいだけなのでピーク検出モードを使うとOKらしいことが分かった。…というか、全然知らなかったけど、1divの時間が長くなって取り込みレートが落ちても実はサンプリング自体は最高サンプリングレート(2.5GS/s)で行われていて、そのうちどれを取り込んで表示するか…というところが表示方法のポイントなのね。9/5追記。
*2: 10/24追記:2467Bを手に入れて試してみましたが、どうやら記憶違いだったようです。ピンホト出力の1ms間隔表示、2467Bだとかろうじて見えないことはないですが、思っていたほど明瞭ではありませんでした。(手に入れた2467Bが劣化しているのでなければ。)あと、テクトロ2467Bと比較してみて、改めて岩通TS-80600も見直しました。(帯域が広いところとか、描画がシャープなところとか、画面が広いところとか。)